愛犬が食べ物をおねだりする姿ってとってもかわいいですよね。
ついつい、自分と同じものを食べさせてあげたくなってしまいます。
けれど正しい知識がないままに、何でもかんでも与えてしまうのは実はとっても危険です。
私たちが普段何気なく食べているものでも、愛犬にとっては毒にもなり得ます。
このページでは「犬に与えてはいけない食べ物」をご紹介していきます。
うっかり与えて、愛犬が危険にさらされるなんてことにならないように、きちんと把握してくださいね。
既にご存知の方もいるかもしれませんが、今一度復習の意味も兼ねてご覧になってみてください。
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犬が食べてはいけない12の食べ物
ここでは、犬に与えてはいけない食べ物のうち、代表的な12種類をご紹介します。
愛犬の為にもしっかり覚えてくださいね。
1.タマネギ、ネギ、ニラなどのユリ科植物
タマネギなどのネギ類は量によっては、亡くなってしまうと言われるほど危険な食べ物です。
アリルプロピルジスルファイドという成分が含まれていて、赤血球を壊してしまうと言われています。
(この成分はニンニクにも含まれています。)
例え加熱をしても成分は分解されないので、生はもちろん、ハンバーグや肉じゃが、コロッケなどもNGです。
また、エキス自体がダメなのでエキスが染み出た味噌汁なども与えてはいけません。
タマネギやネギは常温保存している家庭も多いので、ワンちゃんが誤って食べてしまわないようにくれぐれも注意が必要です。
症状:溶血性貧血・血色素尿・元気消失・心悸亢進歩様蹌踉・呼吸速拍・食欲不振・下痢・嘔吐・死亡
2.ブドウ・レーズン
重症の場合は、急性腎不全を起こすと言われています。
特にブドウの皮は与えてはいけません。
症状:嘔吐・下痢・腹痛・急性腎不全・死亡することがある(多量)
3.キシリトール
私たち人間では虫歯予防に有効と言われている「キシリトール」。
ガムに等のお菓子に使用されていますが、犬が食べると中毒を起こします。
症状:低血糖・嘔吐・嗜眠・運動失調・虚脱・痙攣発作・肝不全
4.唐辛子や香辛料などの刺激物
犬は辛味や苦味に対する味覚が鋭敏で、刺激物に対する耐性が低いので与えないようにしましょう。
症状:胃炎・嘔吐(刺激)・肝臓障害・感覚マヒ
5.骨付きの鶏肉や魚
鶏の骨は縦に裂けやすく鋭利な状態になるので危険です。
魚の大きな骨なども、のどや消化管を傷つけてしまう恐れがあるので与えないようにしましょう。
症状:消化管損傷・穿孔・消化管の炎症・腹膜炎
6.貝類や甲殻類
イカやタコ、 スルメなどは消化が悪いので、下痢などの原因になったり、のどに詰まらせたりすることがあります。
またカニ、エビなどの甲殻類 はビタミンB1 を分解する酵素(チアミナーゼ)を持っており、ビタミンB1欠乏症を引き起こすこともあります。
この酵素は加熱により活性が失われますので、与える場合には必ず火を通しましょう。
症状:消化不良・嘔吐・ビタミンB1欠乏
7.チョコレート
カカオに含まれるテオブロミンが中枢神経を刺激し、中毒を起こします。
症状:興奮・不安・嘔吐・下痢・多尿・痙攣・過温症・呼吸停止・突然死
私の友人で、留守番中に犬が大量のチョコレートを食べてしまい、胃洗浄をしてもらったという方がいました。
室内飼いの場合には、 うっかり、チョコレートなどを部屋に置いたまま出かけたりしないように注意してくださいね。
8.コーヒー、緑茶、紅茶など
カフェインが含まれているコーヒーや紅茶などの飲料を与えると、 犬は中毒症状を起こします。
症状:興奮・不安・嘔吐・下痢・多尿・痙攣・過温症・呼吸停止・突然死
犬は甘いものやミルクが大好きです。
うちの愛犬もコーヒー牛乳の飲みかけを放置していたらすごい勢いで飲んでしまっていたことがあります。
幸い無事でしたが、大量の摂取は危険です。
特にお砂糖やミルクたっぷりの場合は、ワンちゃんにとっても魅力的なので注意してあげてくださいね。
9.アボカド
アボカドに含まれるペルシンという成分が中毒を起こします。
多量に摂取するとひどい場合には死亡の恐れもあります。
特に生で与えるのは避けましょう。
症状:アレルギー症状・元気消失・呼吸困難・全身浮腫・中毒・チアノーゼ・嘔吐・下痢・不整脈
興味があったら読んでみてくださいね。
⇒ アボダーム・ドッグフードを辛口評価【口コミ・評判】
10.牛乳
一見与えても良さそうな牛乳ですが、犬は牛乳中の乳糖を分解する、ラクターゼという酵素を十分に持っていないため、消化不良の原因になります。
与える場合は必ず犬用のミルクをあげましょう。
症状:下痢
11.生の豆やナッツ類
ナッツ類はカロリーが高く肥満のもとになるだけでなく、消化不良を起こす可能性があります。
その他にも、マカダミアナッツで中毒を起こした例もあるようです。
豆腐や納豆などの加工食品は消化に関しては問題ないですが、マグネシウムが多いため、結石になりやすいという説があります。
症状:
【ナッツ類】高工エネルギー・塩分過多・下痢・嘔吐
【生の豆】鼓脹症・呼吸困難・運動失調・消化不良・下痢・嘔吐
【マカダミアナッツ】運動失調・後肢マヒ・無気力・嘔吐・高熱・筋硬直・振戦・頻脈
12.生卵
卵白に含まれるアビジンという酵素が、ビタミンB群であるビオチンの吸収を妨げるために皮膚炎、成長不良の症状を引き起こすことがあります。
症状:皮膚炎・脱毛・白毛・フケ・発疹
いかがですか?
上記のような食べ物をうっかり与えたりしていませんか?
タマネギやチョコレートなどは危険な食べ物として有名ですが、一見与えても良さそうな、牛乳や魚介類なども犬の体に影響を及ぼす恐れがあるのです。
飼い主である私たちが、きちんと与えていいもの悪いものを把握することが大切です。
また、与えてはいけない食べ物は
「室内に置きっぱなしにしない」
「席を離れる場合は高い場所に移動させる」
などの工夫して、愛犬の手の届かないところに保管する様にしましょう。
参考
- 飼い主のためのペットフード・ガイドライン【環境省】
- 犬・猫に与えてはいけない食べ物【きど動物病院】
- 与えてはいけない食べ物【しらかば動物病院】
- 人間の食べ物で与えてはダメなモノって何ですか?【京都中央動物病院】
- 犬に与えてはいけない食物【神戸フランダース犬猫皮膚科動物病院】
番外編
食べ物だけに気を取られがちですが、食べ物以外にも犬が食べてしまうと中毒を発症してしまう危険なものがあるのをご存知ですか?
それは「植物」や「薬物」などです。
この段落では、食べ物以外で犬が口にすると危険なものをご紹介していきます。
犬が食べると危険な植物
植物の葉や茎・種や球根を食べることによって 中毒症状がおこります。
場所別の危険な植物を以下にまとめてみました。
場所 | 植物名 | 主な症状 |
庭 | スイセン、アマリリス、アサガオ、ヒヤシンス、あじさい、すずらん、ツツジ、キョウチクトウなど | 嘔吐、下痢、呼吸が荒くなる、ふらつきなど |
室内 | 福寿草、月桂樹、サボテン、ポインセチア、煙草の葉など | |
お散歩コース | キンポウゲ、彼岸花、サトイモの芽、ジャガイモの芽、トマトの茎など |
改めて調べてみて私もびっくりです。
飼い始めた当初、本で読んだような気もしますが、すっかり忘れていました(-_-;)
我が家にはサボテンもありますし、クリスマスシーズンにはポインセチアも飾ります。
普段目にする植物の中にも愛犬にとって危険なものがたくさんあることを改めて実感しました。
とはいえ、植物は生活を彩るのに欠かせません。
室内に飾る場合は
- 置き場所を工夫する
- 危険な植物を除外する
庭で遊ばせるときやお散歩の時には
- きちんと飼い主が目を光らせる
- 危険な植物の近くで放さない
などの対策をしたいところですね。
犬が食べると危険な薬物
続いて薬物関係を紹介します。
種類 | 成分 | 用途 | 症状 |
殺虫剤、殺鼠剤 | ホウ酸塩、ワルファリン | ゴキブリ・アリ・ハエなどの駆除剤やねずみの駆除剤・ 防腐剤・トイレの洗浄剤・消毒剤などに使用 |
食欲減退、激しい嘔吐や下痢、ケイレンをおこすなどの 症状 重度の場合は、死に至る |
除草剤 | パラコート | 主に畑などで使用される除草剤で使用 | |
人薬 | アスピリン、アセトアミノフェン | 抗炎症薬・解熱鎮痛剤などに使用 | |
その他 | エチレングリコール 、ニコチン、鉛 | 車の冷却水・煙草・ペンキ・絵の具や車のバッテリーなどに使用 |
私の通っている動物病院で、除草剤や消毒薬が原因で病院にくるワンちゃんが案外多いと聞いたことがあります。
我が家の近くには遊歩道があり、植物や木々が豊富なため、季節によっては、除草剤を撒いていたりすることがあり、それがかかった植物をなめたり食べてしまったりすることが原因なようです。
犬は嗅覚が優れているので、においのきつそうな除草剤などは、なめたり食べたりしないだろうというイメージがありますが、安易に考えるのは危険だという事ですね。
毎日お散歩している方にとっては決して他人ごとではありません。
普段から外の草は食べないように気を配ってあげるのが大切ですね。
また、愛犬が風邪をひいているようだからと言って間違えても私たち人間の風邪薬を使用しない事!!
私の周りにも、人間用の風邪薬を半分に割ってあげている人がいましたが、絶対にやめましょう。
万が一食べてしまったら
万が一、食べさせてはいけない食べ物や植物、薬物を愛犬が口にしてしまったら、病院にすぐにかかることが大切です。
犬は好奇心が旺盛でいろいろなものを口にしてしまいます。
食べてしまった種類によって対処法が変わるようですので、きちんと食べたものを確認し、獣医さんに伝えましょう。
素人判断は危険です。
きちんとかかりつけの病院で診てもらいましょう。
まとめ
今回紹介した以外にも、まだまだたくさんの与えてはいけない食べ物があります。
日々の生活の中には愛犬にとって危険な食べ物や植物、薬物が溢れているのです。
愛犬の体を守るのは飼い主の役目です。
そのためには犬が食べてはいけないものをきちんと把握する、愛犬の体の事を考えたフードを選ぶなど、ワンちゃんに対しての「正しい知識」を持つことが大切です。
愛犬がいつまでも健康で安全に生活できるように気を配ってあげましょう。